商品の差別化~新しい視点~

みなさん、こんにちは!小橋博士です!

商品の差別化の際、素材の栄養成分に目を向ける動きが出てきていますね。リコピンが通常の?倍含まれているトマトを使った~~~、のようなものが代表例です。ただ、その差別化では原材料自体の仕入れ値が高騰しますよね。果たしてそれで本当にいいのでしょうか?

個体差・地域差を差別化に取り入れるべし!

まるまる太ったイワシとやせ細ったイワシ、果たしてDHAは同じ量でしょうか?鮮魚部の方は経験的に、脂の乗りが違う、と分かっています。脂の乗りが違うということは、比例してDHAの量も違うということにお気づきでしょうか?

このように、生鮮原材料は個体の特徴に応じて栄養成分が異なることは既に知られていることです。ですが、この個体差を利用した健康成分の差を訴えることは今までまったくといっていいほどされてきませんでした。

食品成分表は、あくまで日本の流通に乗っている同種の原材料の平均値を算出しているにすぎません。このことは、管理栄養士も含めてあまり意識されていません。栄養士を頼っても金太郎飴みたいな回答・提案しかでないのは、学識が浅いからです。学識が浅いとこのような違いに気づけない、そもそも差異があるということを教えられていないからです。

これは非常にもったいないことです。是非、これまでとは異なる差別化の提案ができるよう、研鑽に励んでください。

FQMサポートでは、このような差別化のための相談にも応じています。成分の測定を大量に繰り返してきたからこそ、どのような視点で測定を行えばいいのかがご提案できるのです。

科学的根拠さえつかんでしまえば、あとは通常と同程度の仕入れコストで差別化が謳えるようになります。特に健康成分の特色が謳えると、売上が非常に伸びることは多くの事例から明らかとなっています。是非、ご検討・ご相談ください。

グレーゾーン管理とOODAの共通点

みなさん、こんにちは!小橋博士です!

今日は機能しないPDCAはもう古い!と謳っているOODAループ方式の管理と私たちFQMサポートが提唱しているグレーゾーン管理の共通点と、本質的な違いをお伝えしたいと思います。まだまだ世の中はPDCAが主流で、OODAの解釈には私の個人的な見解が多分に含まれていることをご了承の上、お読みいただければ幸いです。

OODAループとは?

PDCA方式の管理・改善は、多くの場合CAが破たんしていてサイクルが形成されません。そこでより進んだ状況対応理論としてOODAループが提唱・採用されはじめています。

OODAループとは、監視(Observe)- 情勢判断(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)のサイクルをぐるぐるループさせて状況に対応していくことをさします。

PDCAサイクルもOODAループも結局は変化(問題)に対応するための行動を端的に表しただけなので、違いがほとんどないように感じるかもしれませんね。でも、注目している段階が異なっていることにお気づき頂けるでしょうか?

先ほど述べたとおり、PDCAサイクルは多くの場合CAの段階が破たんします。OODAループは、CAがどのように行われる(べき)か、分析したものになっています。つまり、破たんしやすいところに着目してしっかり行動しよう、もしくは行動できるようにしようということです。

OODAループとグレーゾーン管理の共通点と違い

グレーゾーン管理はPDCAサイクルを機能させるために開発されました。ポイントは

1)報告に対するペナルティをなくし、迅速に異常発生予兆の報告が行われる
2)出荷に影響がない段階での報告のため、改善実現までの時間的余地が取られている

の2点です。これによって、Cで詰まることがなく、Aを検討する余地も十分にとることが出来ます。OODAループはPDCAのCを早めることでAを迅速に実現することの重要性を唱えているので、グレーゾーン管理の2と1の半分程度までしか含みません。

今後OODAループが導入されていったとしても、日本の企業風土ではDAでつまることは目に見えています。その理由はPDCAが破たんしている理由と同じです。怒られる、非難される段階でしか、Dが行われないからです。

今後はますます、グレーゾーン管理が目指す「心理的な報告のしやすさ」に注目が集まることでしょう。まだまだ世の中に広まり始めた段階のOODAループの先を行く課題解決法、「グレーゾーン管理」を御社でも導入してみませんか?

詳しく話を聞きたい、質問をしたいという方はメールいただくか、ミラサポの中小企業支援の一環である専門家派遣をご利用ください。小橋信行で検索して指名頂ければ、御社に金銭的な負担をかけることなく2時間程度のレクチャーを実施可能です。

以上、小橋博士でした!

従業員を守る品質管理

食品工場での品質管理は主に衛生管理になっている会社がほとんどです。ですが、品質管理担当者だから気づける安全管理もあります。従業員あってこその品質管理ですので、是非従業員を守る視点を持っていきましょう!

体調の変化に気づこう

咳が酷く出るようになった、体がかゆくなるようになった、手袋をすると手が真っ赤に腫れあがる、などなど、工場勤務を始めてから体調の変化が起こる方がいます。また、これらの変化は勤務開始直後だけでなく、長年経ってからおこることもあります。

しかし、一般的な品質管理担当者は同情しつつも「工夫はしてもいいけど工場内のルールを守って」ということしか言えないようです。果たしてこれでいいでしょうか?

工場内でアレルギーに一番詳しいのは品質管理担当者

上記のような変化は、大抵アレルギー関係なようです。アレルギー発生のメカニズムは知らなくても、アレルギー反応が何に対して起こるのか、一番知識があるのは多くの場合品質管理担当者ではないでしょうか?

アレルギーに悩まされながらの作業は、ミスが多くなり品質低下の原因にもなります。またなにより、ある一定のラインを超えると「体調不良により退職」という事態が発生します。

確かに品質管理担当者は医者ではありません。ですが、アレルギーかも知れない、という注意喚起は可能ではないでしょうか?

また、その場合、アレルゲンから遠ざけてあげられるような作業を提案できるのも品質管理担当者です。

働きやすい環境づくりを!

従業員が長年勤められる働きやすい環境づくりは、長期的には品質の向上につながります(デメリットもあるにはありますが、総合的に対処可能です)。

各従業員の個人の事情(体調)にも目を向けて、変化があれば働きやすくなるような提案を考えて行きませんか?働きやすい環境作りを通じて、品質も従業員も守れる品質管理を目指していきましょう!

以上、小橋博士でした!

冷凍食品の劣化対策

冷凍食品は一般的に劣化しにくいですが、それでも様々な要因で劣化します。ネット上ではなかなか対策が見つからないこともありますので、こちらでまとめておきます。本記事で扱う対策は大手であれば基本として行われていることです。まだまだ取り組み始めたばかりでノウハウが少ない会社様向けの記事となります。

主要な対策

以下では劣化に対して対策をあげていますが、主な対策は以下の通りです

・ブランチング
・定温(温度変化がないこと、出荷後も注意)
・低温(-25度以下、出荷後も注意)
・急速冷凍の利用
・シュガリング
・グレーズ処理

原因は自社ではないこともありえます。温度関係を疑う場合は製品近くに温度記録が取れる機器を同梱して物流をチェックしてください。

劣化の種類ごとの対策

乾燥、冷凍焼け

全ての冷凍食品で起こりえます。対策は包装の見直し、グレーズ処理、-25度以下での定温保存です。

変色

冷凍焼け以外に色素が薄くなるような変色も起こります。特に未加熱もしくは加熱が不十分な場合にはブランチング処理を検討してください。

風味抜け

成分の揮発や分解が主原因です。急速冷凍や―25度以下での保存、ブランチング処理、より密閉度の高い包装への変更を検討してください。

異臭

冷凍状態であっても臭いは移ります。庫内の清掃や脱臭剤の設置、より密閉度の高い包装への変更を検討してください。また、乾燥が進むと臭い移りも発生しやすくなることにも留意してください。

成分分解

冷凍過程での酵素等による分解が主原因です。急速冷凍や―25度以下での保存、ブランチング処理を検討してください。

以上で解決しない問題の場合は対策の組合せが必要になります。対策立案自体はそれほど時間を必要としませんので、是非ミラサポから小橋信行を検索して頂き、支援要請をしてください。事務手続きの作業負担だけで、貴社に直接的な金銭の支払いは発生せずに解決策のご提案が可能です。

また、以前の記事「冷凍食品劣化の原因」も参考になれば幸いです。

以上、小橋博士でした!

改善の基本は怒らないこと

みなさん、こんにちは!小橋博士です。

今日の関東地方は雨で冷えますね。これが過ぎればもうすぐ春!
さて、今日は改善の基本についての復習です。

改善を行うときに必ず向き合うのは「うまくいかなかったケースの分析」です。ですが、ここで発生するのは「お前はちゃんとやっているのか!」という個人攻撃です。果たして怒ることは改善につながるでしょうか?

個人攻撃はやめよう

そもそも、個人攻撃は組織批判ということにお気づきでしょうか?きつい表現をすれば、あなたが怒る=対象に多かれ少なかれ無能なレッテルを貼る=無能を採用したのは誰?=無能を採用した無能は誰?・・・この連鎖の先には創業者があり、創業者の作ったシステム=会社組織があります。

もちろん、軽度の指摘であれば社会常識やモラルで組織批判には至りません。ですが、業務改善のはずが個人攻撃大会になっている会社の従業員は、陰で組織批判を繰り返します。

以前の記事「簡単なはずのことでトラブルが絶えない」や、「従業員はさぼってる?~その1~」、「従業員はさぼってる?~その2~」でもまとめたように、怒ってもなんの解決にもなりません。叱責によって個人の生産性が上がることは非常にまれですし、組織としての改善点もほぼありません。やる気の喪失や従業員の体制批判の風潮を醸すなど、基本的に会社にとってマイナスなことが目立ちます。

本日配信された日経情報ストラテジー副編集長 川又 英紀氏のメールマガジンでも同様の主旨の記事が配信されました。やはり、改善に向き合っていると同じ着眼点・価値観になるのだと非常に勇気づけられました。

誰でも同じ品質を目指すには?

会社として有効な対策は、誰でも同じ品質で作業できる環境づくりです。「誰でも」とは、個人の能力によらないことを意味しています。ここで重要なのは、ミスがあった際に、「どういう教育・表示があればできたのか?」という発想です。

改善を指揮するリーダーがこの意識をもてるかどうかで、改善活動の成否が決まります。私の経験上、このような意識でインタビューと改善を繰り返していくと、自然と従業員側から改善の提案が出るようになります。

同じ働くなら、誰だってミスはしたくありません。同じ負担であれば、誰か=お客様が少しでも喜んでくれた方が気分がいいからです。

リーダーにはリーダーの責務があります。そしてリーダーも人間という感情をもつ生き物です。なので、時にはつい怒ってしまうときもあると思います。そんな時には、原因分析だけでなく、ミスを減らすための教育・表示などの提案を出来る人材をサポートに付けてください。

なかなかそういう人材が見当たらない・・・とお困りの会社も多いと思います。実際、社内人材では業務の一部に改善が割り当てられるケースが多く、どうしても冷静に分析と対策を行える余裕が少なくなる傾向があります。

そのような場合は、是非、外部コンサルに依頼することも検討してみてください。FQMサポートでは、長年の経験から、ミスの原因のヒアリングとミス減少のための教育・表示作成案のご提案など、業務改善のサポートサービスを提供しております。なかなか業務改善が進まない、というご担当者様、是非一度お問い合わせください。

新人教育と改善活動

みなさん、こんにちは!小橋博士です。

春といえば、新人さんを迎える季節でもあります。新卒採用をしていない会社でも、様々な都合で入社する方が多い季節ですよね。

今日のポイントは
・新人からの質問発生=手順表整備不足の手掛かり!
・指を指し示すだけで、見てパット分かる手順表の整備をしよう!
という2点です。

以下本題

新人教育をしていると必ずと言って「どうやるのですか?」と尋ねられます。みなさんは、その質問に「指差しだけ」で答えられますか?答えられる人でも、分厚いマニュアルを指さしちゃうのはだめです。さて、どうしてでしょうか?

指差しでの回答率=使える手順表整備率

会社固有のルール・業務などは会社に入ってからでないと分かりません。必然的に「どうやるのですか?」の質問の割合は高くなります。

このような会社固有といっていいモノゴトに対して、パッと見れてすぐに理解できる(思い出せる)資料が近くにあるかどうかは非常に重要です。

にもかかわらず、高学歴者が多い企業では分厚くどこかにしまいこんであるマニュアルで対応しようとしていることが多いです。工場では「習うより慣れろ」という状態で、そもそもマニュアルがないことが多いです。

経験上お分かりいただけると思いますが、どちらも、従業員が実際に使う手順表があるとは言えません。実際に使われるためには必要な時にすぐに見れて、しかも直感的に分かることが必要だからです。

つまり、新人の質問に対して指差ししながら「ここみて~」とすぐに答えられる工程だけが、使える手順表が整備されていると言えます。

さて、御社の使える手順表整備率はいかほどでしょうか?

できるだけ写真・図を多用しよう!

長い手順のものほど、文字で済ませがちですよね。ですが、文字ばかりだとなかなか読む気になりません。ぱっと見て分かりそうと思ってもらえるように、写真・図を多用した手順表がベターです。

以上をヒントに、少しでも会社の生産性をあげていってください!

小橋博士でした!

全業種共通の業務改善

こんにちは、小橋博士です。

ビジネスパーソン(いわゆる社会人というやつですね!)として仕事をしていると、アーあの時どうしたらよかったんだろう!?と感じることが多いはずです。今回はその後悔や反省を少しでも減らす基礎技術習得のお話です。過去に記事にしたものを、身に付けやすいようにまとめましたので、是非リンク先も併せてお読みください!以下本題です。

全業種共通の業務改善の流れをまとめました。コミュニケーションを円滑に行う方法、問題解決の流れ、問題解決につながる会議のやり方、この3つを身に付けることで劇的に世界が変わります。私はこの一連の流れで、大手企業が複数関わっても10年以上解決できなかった問題の解決に成功しました。効果絶大ですので、ステップ1から是非挑戦してみてください!

ステップ1 コミュニケーション能力を高めよう!
会社で働くなら、必ず誰かとコミュニケーションが発生します。このコミュニケーションの相手はお客様も含みます。鍵は初めの一言で分かりやすく気持ちを伝えることです。

気持ちを伝えられないと時間や労力が浪費されることはすぐに想像がつきますよね。ひと手間かけても、誤解のないように一言で伝えることで、結果的に大きな時間の節約になります。

詳細は「ビジネスパーソンに修得してほしいたった一つのこと」をご覧ください。

ステップ2 問題解決の流れを身に付けよう!
仕事をしていて問題に遭遇しない方はほとんどいないと思います。そして、多くの方は問題の解決を謝った方法で行っています。いくらPDCAを回しても、普段の業務量が増えてしまうと元に戻ってしまうこと、なんとなく分かるんではないでしょうか?特に複数名が関わる問題の改善はコツが必要です。

詳細は「問題解決のための3つのステップ」をご覧ください。

ステップ3 問題解決につながる会議をしよう!
問題解決のためなどに、会議は必須です。この会議を効果のあるものに変える5つのポイントがあります。それは、議題のリストアップ、連絡事項などは根回しで済ませる、テーマを分類して参加者を絞り込む、議題の事前告知、終了後の総括です。議題の選定や参加者の絞り込みはステップ1の応用でもあります。

詳細は「問題解決につながる会議の5つのポイント」をご覧ください。

以上です。ご相談・お問い合わせも受け付けておりますので、気になる方はメールもしくはコメントを頂ければ幸いです。

HACCPの問題点

HACCP義務化が取りざたされていますが、実装には問題点があります。それは、HACCPの基本的な考え方が多くの会社で効果的に運用がされていないISO9001と同様にPDCAサイクルに依存している点です。世の中では当然のように「PDCAサイクルを回そう!」と言われていますが、現実はどうでしょうか?PDCAサイクルは本当に回るものでしょうか?(この記事は、小規模な会社でHACCPはコストがかかると感じている会社を主なターゲットにしています。従業員が複数いてQCサークル活動が行えているような会社を想定していません。)

PDCAサイクルで問題は解消しない

理屈としてはISO9001で会社の問題は解消する(もしくは解消のめどが立つ)はずです。HACCPなどと敢えて謳わなくてもISO9001さえ「理屈通りに動いていれば」、ある一定の時間はかかったとしてもすべての問題は解消します。

しかし、PDCAサイクルは機能しないことがほとんどです。だからこそ「PDCAサイクルを回そう!」と十年以上言われ続けているわけです。この原因についてはチェックが機能していないことがほとんどだ!と言われていますが、ここでも技術的な話ばかりで結局解決していないケースばかりです。

そもそもPDCAで問題解決できていないのに、それをPDCAで解決しよう、というのはおかしな話です。PDCAで問題解決できていない組織では、その状況をPDCAで解決することはできません。

モチベーションが鍵

では、いったいどうしたらいいのでしょうか?その鍵のヒントは活気のある部活動では何が起きているか、という身近な(身近だった!?)環境にあります。中学・高校時代、PDCAサイクルなんて知らなかった時代でも、あの時こうしていればよかったかも、じゃあできるように練習しよう!というような光景は珍しくなかったはずです。

多少乱暴な言い方になりますが、モチベーションさえあればPDCAなんて勝手に回るものなのです。むしろ、それは人間がこれほどの文明を築いてきたことを考えれば、人の本能といってもいいのではないでしょうか?

ということで、PDCAサイクルで問題を解決するための鍵はモチベーションである、と言えるでしょう。

以上を踏まえてPDCAが回らない環境を見直してみると、現場に近い方では「心(モチベーション)」への配慮不足、上位の管理者に近いほど「見える化」の不十分さがあります。

この二つを組み合わせると「従業員の心の見える化が不十分」というフレーズが出てきます。つまり、PDCAを回す鍵であるモチベーションの見える化が不十分なことが、問題解決にいたらない真の原因なのです。

見方を変えると見えてくる

以上のように考えると、PDCAが回らない=モチベーションが不十分もしくは引き出せていない、ということが分かります。たったこれだけで従業員のモチベーションが見えるようになりましたね!

会議の場では何とでも言えます。実際にPDCAが回っていない、ということは、すなわち問題解決に共感できていない、モチベーションが沸かないということなのです。

あとは問題解決することのメリットに、共感してもらうにはどうしたらいいかを煮詰めればいいだけです。私はこの方法で年商6億円の会社で3000万円の経費削減に成功したことをはじめ、複数の成功事例を有しています。

共感を引き出すためには、対等な立場での綿密なヒアリングが必要です。従業員の心の見える化はできたけど、改善方法が分からない、という管理者の方は是非、お問い合わせください。従業員の共感ポイント調査(ヒアリング)や実際に改善サイクルが軌道に乗るまでのお手伝いのサービス提供はもちろん、無料相談においてもノウハウの提供を行っております。

HACCPの肝であるPDCAサイクルをしっかりまわす基盤を作って、実際に効果のあるHACCPを組み上げましょう!

ジョッキにそそぐビールの量の測り方

ビールを注ぐときは黄色の液体部分と白色の泡の部分があって、体積では計量が難しいですよね?
でもポーション管理はしっかりしないといけません。
ではどうやったら正確に測ることができるでしょうか?
(この記事は主に飲食店向けに書かれていますが、工場で液体を配合する際の参考にもなります。)

体積の測りにくいものは重量で計るべし

飲食店で取り扱うメニューのうち、ビールや固形物の多いシチューなどは体積を正確に測ることは難しいです。
泡や具材が飛び出てしまったりなど、原因はすぐにお分かりいただけると思います。
そのような事情がないものでも、お皿が傾けば目安のラインはあてにならないですし、お皿も料理もどちらも色が濃くて計量用の線が透けて見えないようだとポーションオーバーしているかどうかも分かりません。
そのようなものでも正確に測れるのは重さです。

ポーション管理の訓練では、是非確認に重量を使ってください。
きちんとトレーニングをしておくことで、「少なくないか?」というクレームを抑制できます。
また、お店のオペレーションの透明性も向上します。1杯当たりの誤差が少ないほど、閉店後のチェックでミスがあったかどうか、分かりやすくなります。誤差が1割だと10杯か11杯か、なんとも言い難いですが、誤差が5%なら、実際にそそがれた杯数は容易に想像がつきます。

ちなみに、どろっとした液体も正確に測ることは難しいです。タレなどが該当しますが、味の濃さを決定するものが正確に測れないというのも困りものですよね。人によって癖があり、カンロレードルなどではスタッフ間の差が生じるケースも多くあります。終業時に重量を計量して、平均で何g使用していたのか、他のスタッフ平均と比較してどうなのか?を知ってもらうことで、ポーションが正確になっていきます。

オペレーション中にすべての重量を計ることはあまり現実的ではありませんが、計量カップで正確に同じ分量を取るためには重量でのチェックは欠かせません。

ビールの注ぎ方から始まりましたが、ポーション管理の徹底のためにも容量(体積)と重量を結び付けて正確に測れるように訓練を行ってください。

言った言わないを避ける2つのポイント

たった2つのことに気を付けることで、「言った、言わない」という問題に遭遇する確率は激減します。一つは議事録等の記録をつけることですが、もうひとつはまさかのポイントです。最近話題の某ゴルフ場の規約の問題でも、言った言わないが取りざたされています。相手の肩書や地位がなんであれ、油断一つで深刻なトラブルになりかねない問題が発生してしまいます。そのような事態にならないように注意したい方は是非ご一読ください。

記録を付けよう

この問題を避けるにあたって、記録を付けることは非常に重要です。どのような案件(立ち話中のお願い)であっても、必ず確認事項とやるべきことを文章にして確認してください。

口頭でのやりとりは非常にいい加減なものです。微妙なニュアンスの違いは聞き洩らしやちょっとした油断でスルーしてしまいます。この問題点を排除するために、文章にすることは非常に重要です。

また、作成した文章は必ず関係者(指示者)にメール等で内容が正しいか、漏れがないか確認してもらってください。このように記録を付けた後に共有することで、初めて記録としての価値・意義が発生します。自分だけのためのメモには記録としての価値はまったくありません。それこそ言った言わない、君の勘違いで~~~~と問題が拡大する火種にしかなりませんので共有しなかった記録を証拠のように扱うことはくれぐれも回避してください。

期限をつけよう

言った言わないのトラブルが発生したときに、「証拠があるから、これを送りつけよう!」なんてやってしまうと変に話がこじれることが多いです。これを回避する秘訣は「確認を定期的にすること」なのですが、相手が上司や取引先の場合、定期的に確認することは難しいことが多いです。

そこで無理なく定期的な確認を実現するのが、やるべきことに期限をつけることです。記録の共有の際にこの期限を入れ込んでおくことで、相手が上司・取引先であっても

~~の件につきまして、進捗はいかがでしょうか?先日の御打合せの時に完了は〇月×日とさせて頂きましたが、期限が迫っております(過ぎました)。

~~の件につきまして、実施報告をさせて頂きます。

などのように、問合せや報告をすることができますよね。期限がないとこれが非常にやりにくくなります。このようなメールの効果は以前の決定事項を思い出させることにあります。記録として保存している文章の該当部分を切り貼りがもっとも効果的です。

それでもトラブったら?

経験上、ここまでしてトラブルになることは非常にまれです。それでも世の中にはいろいろな方がいるので、メールを読んでいなかった等の理由で逆切れ!?と思うような言いがかりに遭うこともあります。

まさにクレーマー・・・・、つまり、基本的な回避方法は「まずは謝ること」です。ですが、謝るポイントは確認が不十分でした、ということです

相手が勘違いした状態でいる、というのはまさに確認不足ですから、非を認めたとしてもある意味当然なのでOKです。ここを「お客様のご指摘の通りでございます」などのように受け流そうとすると、更なるトラブルを呼び込むことになります。というのも「ぼや~っと曖昧なことは、厳しく詰めればこちらの思い通りになる」という印象を相手に与えてしまうからです。

また、このような時に「何月何日のメールに添付した記録によると~」とやってしまってもよろしくありません。正論は時に相手を逆上させてしまいます。上にも書いたとおり、クレームを受けているわけですから、基本に忠実に謝罪することがベターです。

以上、言った言わないの回避のポイントは
・記録を取る
・期限をつけて、確認をとる
ということでした。みなさんが未然にトラブルを回避できることを願っております!