ISO審査の経験

すっかりご無沙汰しております。小橋博士です。

この1年半で多くのISOの審査経験、MSC/ASC CoCの審査経験を積ませて頂きました。経験を通じて見えてきたことですが、ISO14001やISO45001では、リスクの低減の為に業務効率を上げるという視点がほとんど見られないため、活動が頭打ちになりがちなようです。FSC認証の紙やグリーン電力を購入するなどお金のかかることよりも、お金をかけずに達成可能な目標を追い求めないと当然活動は頭打ちになりがちですよね。超大手ならまだしも、普通の中小企業には稼げないことをやる余裕なんてほとんどありませんので。ISO9001においても経営層とのコミュニケーションツールとしてもっと活用いただければいいのにと思うことも多いです。

審査はなんだかんだそれなりのお金がかかりますので、是非有効活用いただければと思います。

一般論ではなかなか書きにくいことが多いので、ISOの運用でお悩みの方は是非コメント等を入れて頂ければと思います。

以上、小橋博士でした!

簡単構築HACCP

こんにちは!小橋博士です。

HACCP構築でお金も労力もかけたくないメーカー様に最適な方法をご紹介します。そもそも食中毒が発生していない状況で過剰な対応をする必要はありません。HACCPの基本は既に会社に根付いている、というところからスタートしましょう!

※高度化を批判しているわけではない点はご留意ください。HACCPは12手順全て構築しないと機能しません。途中で止まるくらいなら、最低限でも完成させて、そこから少しづつレベルをあげましょう、という主旨です。

最低限何をすべきか?

そもそも足りていないのは、ずばり、「HACCP取組み宣言とチームを思い描くこと」です。「え?これだけ?」と思うかもしれませんが、これが実態です。次に12手順と現在の状況を照らし合わせてみていきましょう!

12手順と現状の比較

手順1.HACCPチーム編成

こちらは認識が必要なだけです。そもそもHACCPチームとは工程の衛生管理に当たるチームですので、消費者からのクレームに応じて工程改善を行う担当者チーム、すなわち工場内のリーダークラスと品質管理担当者に任せるのが妥当でしょう。ということで、この方たちがHACCPチームなんだ、という認識(とできれば告知)があれば手順1は終わりです。

手順2.製品説明書の作成

製品説明書なんて、一般的な食品には不要です。そもそも分かりにくいことは
食品表示法やPL法対応として、ラベル等への表示で対応済みのはずです。事例としては、消費・賞味期限、保存方法(涼しい場所に保管してください、要冷蔵、など)、加熱調理の必要性(必要ないものも多い)、アレルギー物質とコンタミの可能性の表示、などが該当します。表示、ありますよね!?こちらで十分な根拠としては、過去にクレームや問合せがないこと、を挙げれば問題ありません。

手順3.意図する用途や対象となる消費者の確認

こちらもほとんどのケースで表示不要です。というのも、こちらも食品ラベルを作る際に必ず記載している「名称」のみで、意図する用途や対象となる消費者は明確だからです。はちみつなど、消費してほしくない対象がある製品や、乳児用、機能性食品など、特殊な製品のみ対応すれば十分でしょう・・・。こちらも手順2と同じく、過去にクレームや問合せが無いことを根拠に対応済み、と考えて問題ありません。

手順4&5.製造工程一覧図の作成とその妥当性の確認

食品メーカーでプロセスフロー図がないところは、もうほとんどないと思います。本当にないんです!というメーカー様は、製品もしくは中間製品ごとに工場図面にモノの流れを矢印で書き込んで、作業記録を基に管理項目とその数値をかきこみましょう。プロセスフロー図がない会社では作成に不慣れで、HACCP事例で見かける書式では書き洩らしが多いです。添加物などの使用量が少ないものも全て保管場所から使用場所まで矢印を引きましょう!

手順6~8.危害分析、CCP決定、管理基準の設定

本当の基本は各種食品の衛生規範で認可が下りた時に確認済みのはずです。また、過去のクレーム対応で主要な危害の分析と対策は実施済みです。これは絶対やらないとだめ、と決めたものがCCPや管理基準になります。これには、明確でないものも含まれるかもしれません。そもそも賞味期限や消費期限を設定しているはずですので、「CCPや管理基準がまったくない」なんてありえません。明確に出来ていない会社様なら、作業上気を付けていることのリストアップをしてみましょう!その際に、「新人作業者に注意してほしい点」という感じでリストアップすると妥当性の高いものになります。仮にディシジョンツリーの結果と異なる管理を行っていた場合、本質的な改善点は手順10と11になります。そして、真っ先に行うべき改善処置は品質管理担当者の力量向上と賞味期限・消費期限の再確認になります。非常に深刻な事態なので直ぐに対応しましょう。専門家等の支援も絶対に必要です。

手順9.モニタリング方法の設定

CCPや管理基準が守られていることの証明をどのように行うか、がこちらになります。ある程度の規模以上の工場ではこちらも既に実施済みですね。記録が難しい組織であれば、燃料の使用量、消毒関係の薬剤の使用量、生産量と作業時間、など経営上管理しているような項目から統計的に推定することも可能です。とはいえ、6~9については、ある程度の知識がないと「妥当である証明」ができません。こちらについては記録の有無など関係なく、自社できちんと妥当性の証明ができるのか?納得してやっているのか?が大事になります。メーカー様それぞれのご事情もあるので、ここは自社で判断できなければ早めに外部専門家に相談するとよいでしょう。私もこちらの相談は既に何件も頂いております。

手順10.改善処置の設定

クレームが来た時にどうするのか?は既に生産をしている会社様であれば体制はできているはずです。対応を行う際に、HACCPの手順を参照するように、ということをHACCPチームに伝えておきましょう。

手順11.検証方法の設定

既に生産をしている会社様であれば、クレームによる、で十分です。

手順12.記録と保存方法の設定

クレーム対応で既に記録は取られていることと思います。手順6~9が怪しかった会社様は外部専門家に相談したときについでに記録の取り方も指導してもらうとよいでしょう。

ということで、既に何度もクレーム対応をしてきた会社様であれば、HACCPチームの任命と新しいクレーム対応時(と新商品生産のとき)にHACCP手順を参照すること、とするだけで、HACCP対応は終わりです。逆に、厳しいことを言うと、変化については妥当性を確認するべきです。つまり、新たにHACCP対応器具等を導入する場合はその妥当性の検証が必要です。何も考えずにやり方を変えてしまっている会社様は今一度HACCPの本当の意味を考えて頂ければと思います。

ご相談などはお気軽にコメント等で頂ければと思います!

以上、小橋博士でした。

MSC CoCの監査挑戦します

縁あって、ISO審査だけでなく、MSC CoCの監査もご依頼を頂きました。といっても、まだ試験に合格しただけでこれから訓練開始ですが。

これからもいろいろなことに挑戦しつつ、コンサルティング業務や審査での指摘事項などに活かせる知識の集積を継続していきます。

今後ともよろしくお願いいたします。

以上、小橋博士でした!

授業員のニーズを分析してみましょう

皆さんこんにちは!小橋博士です。ISOの審査でいろいろな組織(会社)を回っていると必ず聞くのが人材不足です。そんな中、ハローワークに募集をかけると応募が殺到し、たった1日で締め切るほどの人気の会社に出会いました。逆に応募者に不思議な傾向が発生している会社もあります。それらの原因から、どんな会社でもできる人材獲得のための施策を探ってみました。

たった1日で従業員募集を打ち切るほどの人気企業

応募が殺到なんて、さぞ条件がいいに違いない、と思われる方も多いのではないでしょうか?詳細な職種は記載を避けますが、以下のような特徴があります。

・給与面の待遇はパートは最低賃金、社員もそれほど高くはない

・立ち仕事で単純作業のいわゆる工場勤務

・設備はどちらかというと古め

・同業他社は従業員確保が出来ずに外国人研修制度を利用していることから、業種に人気があるとは言えない

高所作業や力仕事、衛生関係など、人を極端に選ぶ仕事ではない、という点以外、ほとんどの会社で「うちと大差ない」と思えるのではないでしょうか?では、いったい何が違うというのでしょうか?

従業員目線での従業員満足

その会社の最大の特徴は「従業員目線での従業員満足」を追求していることです。初めの施策は「従業員の大半を占める女性が楽しめる懇親会」を実施したことでした。それまでは、男性の経営幹部が懇親会を企画・実施していましたが、参加率は5割を切っていました。ところが、30代・40代女性が楽しめるような企画を盛り込んだことで、現在の参加率は9割前後まで上昇したそうです。こちらは「完全自由参加」「費用は全額会社持ち」と強制性の低い条件で懇親会を行っていますし、参加率が低かったころからこちらの条件は変わらないことから、かなり高い満足度がうかがえます。

参加率上昇を受けて、従業員に対する全ての施策を従業員目線で考え確認するようになったそうです。この辺りから、パート従業員含めて「知り合いが働き口を探しているのだけど、雇ってもらえないか?」という相談・お願いが出始めたそうです。そして、募集をかければすぐに申し込みが殺到するほどの人気企業へと変貌していきました。

更にうれしい効果として、従業員満足を実感できるようになった頃には顧客からのクレームも減少していたそうです。やはり満足度は仕事ぶりにもあらわれるということですね。

もちろん、仕事はきつい部類に入りますので、相性もあります。残念ながら入社したものの退職されるケースも未だに散見されるそうですが、再募集にも直ぐに人が集まることから人材面での不安は全くない状態です。

応募者居住地のドーナツ化現象

一方で、従業員満足が低い状態が続いている会社の事例を紹介します。30年来地域密着で操業しているある会社では、従業員を募集してもなかなか応募が無く、やっと応募がきても地元からではなく遠方からの応募がほとんどになっています。傾向としては昔都市部の人口分布の特徴としてあげられたドーナツ化現象のようなことが起こっているのです。そして、ドーナツの輪はどんどん広がり採用コストもそれに比例して高くなっています。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?それは、人口の流動性が低いから、ではないかと思います。スーパーなどでは「商圏」という店舗に集客できる範囲を考えます。一方で、従業員採用については「商圏」のような発想をあまり見受けません。しかし、通勤可能範囲は人それぞれにありますので、このような発想で考えてみる必要があるようです。地方ではこの「商圏」内の居住者はほとんど変わらないですよね。ということは、会社の評判が悪くなれば商圏内での潜在的な応募者は減ったままになります。結果として、国内の平均的な雇用情勢だけでなく、自社の評判による影響も受けることになります。これらが複合して起こることで、応募者居住地のドーナツ化現象が起きると考えられ、この現象が起き始めている会社の従業員満足は危機的状況にあると推測されます。

従業員目線の施策で従業員満足を向上させましょう

これまでの記事で、従業員満足の測定方法として以下の2つがあげられます。

1.懇親会の参加率(満足度に比例)

2.応募者居住地と会社との距離(満足度に反比例)

以上の指標を参考に、従業員満足の向上を目指してはいかがでしょうか?必ずしも給与や福利厚生だけが満足度を上げるわけではありません。目配り・気配り・心配りでちょっとしたことで従業員満足の向上を目指してみてください。人材獲得だけでなく、品質向上から業績へもプラスの効果が見込めますよ!

以上、小橋博士でした。

HACCPとリスク

明けましておめでとうございます。小橋博士です。

本日はHACCPを構築する上で多くの企業で考慮されていない、もしくは、考慮が足りないリスクについてまとめたいと思います。
その前に、そもそも食品からの危害の種類を復習してみましょう。

食品からの危害とは?

食品衛生上の危害要員は大きく分けて3つとされています。

  • 生物的危害要因
  • 化学的危害要因
  • 物理的危害要因

これらの詳細は一般財団法人食品産業センター様のページをご覧ください。
それぞれの危害要因に対してよくみる対策は以下の通りではないでしょうか?

生物的危害要因←一般衛生プログラム(手洗い・消毒など)
化学的危害要因←薬品の管理
物理的危害要因←木材・ガラスの不使用、X線画像診断装置・金属探知機による検査

さて、この中でリスクが残っているものはあるのでしょうか?

化学的危害要因が残されている

審査で多くの食品会社の品質管理担当者と面談をしてきましたが、生物由来毒素についての認識はほとんど確認できていません。
また、生物的危害要因と化学的危害要因の中間に「アレルゲン」も挙げられると思います。こちらはあまり指摘されていないのかはっきりした分類が確認できませんでした。カナダでは科学的危害要因に分類しているようですね。とはいえ、やっかいなのは間違いありません・・・。
さらに、新規化合物の開発を行っている会社では、「人体にあるものを結合するのだから安全(のはず)」「安全なものの結合を切断するのだから安全(のはず)」など衝撃の発言もありました。それを言ってしまうと自然毒を否定することになってしまい、完全に間違いです。また安全性は濃度に依存するものでもあるため、安全との断定はリスクアセスメントの放棄という見方もできるでしょう。

ということで、化学的危害要因についてはHACCPが求める危害要因の特定がほとんど出来ていないように見受けられます。
それもそのはず、衛生教育で化学の話が出てきたことって、ないですもんね。せいぜい毒物が混入されることがある、程度の認識ではないでしょうか。

化学的危害要因は何が入っているか?という物の種類だけでなく、濃度も関係するため難しいというのはわかります。
また、多くの食品会社の設備では検出も特定も難しいです。
だからこそ、リスクアセスメントを実施できるくらいの知識を付けることが大切なのではないかなぁと思います。
実際に何をすればいいんだ!というご質問につきましては、何を作っているかなどによって変わってきますので、コメントやメールでご質問頂ければと思います。

以上、小橋博士でした!

機器の校正について

皆さんこんにちは!小橋博士です。

大分暑くなりました・・・熱中症にお気を付けください!

さて、本日は機器の校正についてです。
機器の校正は定期的に行っているし、記録も付けているから大丈夫!という会社様は多いです。しかし、pHメーターのように「変化に弱い標準物質」を用いている会社のほとんどで適切な校正が行われていません。いったいどういうことでしょうか?詳細をご説明します。

校正の手順の盲点

pHメーターの校正の手順は標準液に浸してオートで校正、を2~3種の標準液に対して行う、という会社が非常に多いです。機械が自動で指定されたpH値に補正を行うわけですね。
さて、これのどこに問題があるというのでしょうか?

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、pHの標準液は大気中の二酸化炭素などのガスをはじめ様々な影響を受けるため、一部の標準液では使用期限が印字されています。
まず、こちらを意識していない会社も非常に多く、審査先での指摘でも「え、そんなのあるんですか!?」という反応をされる方が非常に多いです。
そして、ガス等だけでなく、不適切な使用による汚染もありえます。

ということは・・・、実際は異なるpH値の液を用いてそれを指定の値として校正を行っているケースがある、ということです。
多くの測定機器は直接観測される電圧等の値を重量やpHなどの他の相関する値に対して読み替えを行います。
この読み替え自体に不適切な状態が発生すると校正の手順によっては気づかずに使用を続けることになります。

この状態の怖いところは、遡って測定値を再検証することができないことです。その理由は、気づいたときには使用した(汚染されているかもしれない)標準液が存在しないことです。
冷凍食品や缶詰など、長期保存可能な食品を製造しているメーカーでは思わぬリスク源となりえるのです。

同じはずのものが同じ値になることの確認をしましょう!

このような事態を避けるためにも、容易に汚染されるような標準物質を用いる際には新旧の標準物質で同じ値になることも確認しましょう。
そこまで確認して初めて旧標準物質で測定した値が正しく校正された状態で測定された、とみなされます。

そもそも、校正の意味は機器を適切な状態に調整する・状態を確認するためだけではありません。
それまでに行った測定が正しく行われたかの最終確認でもあります。
校正の手順書に校正のやり方のみを記載している会社も非常に多い状況ですが、校正がずれていた場合の手順についても一度考えてみてください。
機械を調整するだけではないですよ!過去のデータについてどのように取り扱い検証するかも大切な視点です。

暑いのに小難しい話ですみません・・・以上小橋博士でした!

改善は出来ることから

みなさんこんにちは!小橋博士です。

先日伺った会社は従業員の多くの方が改善意識も高く素晴らしい状態でした。
聞くところによると、まだ改善の意識がなかった15年前はそこらじゅうが埃だらけ、散らかり放題だったそうです。
そんな状態から、どのように改善意識を隅々までいきわたらせたのでしょうか?

転機は「5S」

転機が訪れたのは15年前、コンサルさんと一緒に「5S」に取り組み始めたことだそうです。
出来そうなことから取り組む、次の課題を見つけてはまたチャレンジ、この継続を地道に続けて3年・・・。ここまで時間をかけていわゆる5Sで行うことはほぼやりつくしたそうです。
3年を長いとみるか、短いとみるか・・・多くの方は短いとお感じでしょうか?私も短いと感じます。
この辺りはまじめな方が多い地域性と社長の強い意志のたまものかもしれませんね。

次のステップ「ISO」

思いつくようなことをやりつくした会社は、次のステップとしてISO9001に取り組んだそうです。
でも、ここの会社のすごいところは、ISO9001を始めても改善=「5S」で貫き通したことです。
どこかでISOと言葉が変わりそうなものですが、実直に改善=5Sで取り組まれていました。

システムがどうのとややもすると難しい言葉が出てくるISOより、慣れ親しんだ5Sを使い続けた点もよかったようです。
5S=問題点の分析・プランの立案・足りないものの手当(教育などです)・実行・報告、と身についているのでしょう。
力量の特定と教育などプロセスから遊離しがちな組織が多い中で、その会社はPDCAがきちんと有効に機能していました。

自分たちの慣れ親しんだ言葉で、ISOの要求事項をこなすことの大切さを改めて実感させられました。

ステップアップしても、むりやり何か似合わせず、自分たちのやり方の延長線で実行することはやはり有効なようです。

改善は出来ることから!

言葉を無理に変えたりしないなど、身の丈にあったことをする、というのは、言葉を変えると「改善は出来ることから」と言えるでしょう。
出来ることを地道に続けることで、現場が自分たちで考えて改善し、きちんとトップに報告もできるようになる、そんなことを改めて教えて頂きました。

みなさんも、一足飛びにいろいろやるだけでなく、5Sからコツコツ改善を進めてみてはいかがでしょうか?
興味のある方は是非ご連絡ください。

以上、小橋博士でした!

ISO14001審査員資格取得しました

皆さん、こんにちは!小橋博士です。

大分ご無沙汰に成ってしまいましたが、この間いろいろご縁あってISO14001環境マネジメントシステムの審査員資格を取得しました。
現在あまり人気のない規格ですが、SDGsとの関係やESG投資との絡みを考えると、現時点からしっかり運用&HPなどで運用状況の発信を行うことは非常に大切なことかと思います。

理由の詳細は当ブログの範疇を超えるので割愛しますが、興味のある方はご連絡ください。

この1年でSDGsなども様子が大分変ると思いますので、情報収集はお早めに。

以上、小橋博士からの報告でした!

安全なはずのものが実は病気と関係する、に学ぶ~品質管理のすべきこと~

皆さんこんにちは!小橋博士です。

有名な科学雑誌の一つ、natureのオンライン版にトレハロースがC.difficileの毒性を高める可能性を示唆する論文が発表されました。トレハロースは天然に存在する化合物であり、安全性が高いと考えられていた食品添加物です。この論文は、食品すべてに共通する新しいリスクを示しています。このリスクに対して、品質管理担当者は何をすべきなのでしょうか?本記事ではリスクの詳細と対策を簡単にまとめていきます。

論文の概略

論文では、C.difficileによる感染症の流行とトレハロースの低価格化実現と使用量の増加時期が重なることを挙げています。実験事実として、強毒株(C.difficileにも複数の品種があります)は低濃度のトレハロースでも利用できるような遺伝子に変わっていたことを示しています。

マウスによる実験では、強毒株の毒性はトレハロースを含む餌を与えた時に強まることなども同時に示されています。

ここで、注意して頂きたいのは、
・毒素生産とトレハロースの直接的な関係はまだ示されていないこと
・直接的な関係性が示されない限り「たまたまそう見えた」という可能性が否定できないこと
です。

トレハロースがないと毒性を発揮しないということは、腸内で増えることと毒性には直接の因果関係はないと考えられます。
なので、トレハロースの代謝産物が毒素生産を誘発している可能性が考えられます。
また、微量のはずのトレハロースで腸内での増殖が確認可能なレベルになることから、もしかしたら新しい抗生物質の開発につながるかもしれません。
完全に余談ですが(笑)

示されたリスク

今回の論文をシンプルに考えると以下の通りになります。
これまでの食経験とは違うレベルで特定の化合物を食べることで、未知の細菌が毒素を生産する可能性がある、ということです。

トマトで有名になったリコピンや、ダイエットにいいかも?と言われている希少糖、新開発の香料、もちろん新しい食品添加物も、ある日突然降ってわいた細菌によって毒素に変えられるかもしれない、ということです。

リスクアセスメントでは可能性と重大性を考えますが、上記のリスクは発生可能性は非常に低いと考えられます。よって、発生すれば重大であっても現時点で対策が必要なリスクではないでしょう。しかし、一度細菌の変異が起こって毒性を引き起こすようになれば、発生可能性は変化します。

似たような例として、AIDSや多剤耐性菌の発生が挙げられます。
病気がなかった(もしくは広まっていなかった)時代には気を付ける必要もなかったことでも、広がってしまえば対策必須に変わります。

品質管理担当者のすべきこと

多くの品質管理担当者にとって、トレハロースの件は無関係に思えるかもしれません。しかし、上記のように考えてみると、特定の食品添加物やスーパーフードなどを原材料にしているならば、無関係とは言い切れません。

しかし、そのために科学論文を読み漁るのもしんどい限りです。

今の世の中、いろいろな方が解説ブログを記載してくれています。現実的な対策としては、自社で使用している食品添加物や通常より強化している栄養素などをグーグルアラートなどに登録して、こまめにチェックしていくことが最善かと思われます。

こんな長文で結論はそれだけか!?という感じですが、情報収集はやっぱり大事でしたね、ということです!
もし品質管理担当者で本事案をここで初めて見たよ!とか、1月中に発見できなかった!というような方は情報収集の方法を見直してみてはいかがでしょうか?

以上、小橋博士でした!

HACCP・ISO9001構築で絶対外してはいけないたった1つのポイント

皆さんこんにちは!小橋博士です。

HACCP義務化も近いですし、相変わらず顧客要求でのISO9001取得もありますよね。難しいからコンサルタントに丸投げ!という事業者様も多いようです。しかし、規格構築で絶対に外してはいけないポイントがあることはご存知でしょうか?

絶対外せないことをコンサルはカバーしてくれません!

残念なことに、絶対外せないたった1つのことを、多くのコンサルタントはカバーしてくれません。
結果として半年も持たないシステムになることがしばしばです。

さて、そのポイントとはいったいなんでしょうか?
それは「現場の作業実態に合わせたシステムであること」です。
簡単なようで難しいんですよね。

よく考えてみてください。
現場を1時間程度覗いたくらいで作業実態は分かりますか?
誰がどう動いてどこから何をどのタイミングで用意するのか?
何をどのように誰が片づけるのか?
お客様に提出する記録類は何でどのように整理されるべきなのか?
などなど、1時間程度で分かるなら苦労はしませんよね。

よいシステムはコスト削減につながります

人任せで作ったシステムは、疑問があっても変更することはできません。
結果的に、膨大な無駄を抱えながら運用している例をいくつも目にしてきました。

一方で、コンサルタントと共に従業員全体で作り上げたシステムは、継続的な改善の提案が活発にされています。
確かに最初は大変なのですが、運用自体は楽=低コストで、取引先の評判も高いことが多いです。

ISOやHACCPを取得したけど、いまいち売り上げや業務改善につながっていない、という会社様。
是非一度、ISOやHACCPのためだけの作業・記録が無いか確認してみてください。

もしISOやHACCPのためだけの作業や記録が見つかった場合、良いシステムとは言えません。
コスト削減・有効性向上のためにもシステムの見直しをしましょう!

単独で難しいケースも多いと思いますので、その際は是非ご相談いただければ幸いです。
FQMサポートによる見直しで、最高7%の経費削減を達成した工場もあります。
見直しのポイントなどは2時間程度でご説明可能ですので、是非ミラサポなどからご指名ください。

以上、小橋博士でした。