問題解決のための3つのステップ

品質管理を担当していると避けて通れないのは問題解決です。問題解決に当たっては必ず3つのステップを意識してください。そうすることで、今まで解決できなかった問題も解決できるようになります。

1.目標を設定する

問題解決のステップなんだから、解決が目標でしょ?と考えたそこのあなた!正解なようで正解ではありません。なぜなら工場で発生する問題の多くは、完全に解決することが難しいからです。

まずは、そもそもなぜ解決したいのか?目的を明確にします。目的意識を持てば、どの程度の改善で満足できるのか目標も決まります。加えて、いつまでに解決すべきなのか期限も明確になります。

目的の明確化(なぜ解決したいのか)→対象と目標の設定(何がどのような状態になればいいか)→期限を決める(いつまでに実行するか)

ここのステップでのポイントは3つです。

1.関係者と「明文化して」共有する
きちんと明文化して確認することが大切です。ここで「目的なんて、会社の人間ならすぐわかるだろう」と横着すると、思わぬ誤解が残っていて問題解決が遅れる原因になります。また、貴重な意見が提案されるタイミングを逃すことも多いです。

2.初めの期限を短く設定する
問題解決が一回の実験(対策)で成功することは稀です。期限を決めるときは、最終的に解決しなければいけない期限の1/3程度の期限にしましょう。その期限に一旦成果(何がどの程度変化して、目標に対してどの程度改善したか?)を確認するステップが必要です。

3.責任者を決める
責任者がいないと、せっかく対策を実行したのに評価もされず、うやむやに・・・というのはよくある事例です。責任者を決めて、対策の進行を管理しましょう。

2.対策を実行する

何をどうしたいのか決まったら、どのような対策を実行したらいいのか検討しましょう。先日の記事「。今日から始める品質管理」を参考に、対策を探してみてください。

ポイントは、
・工程を増やさない
・やりやすくする
・誰でもできるようにする
など、とにかく現場の負担を減らす方向で考えることです。

あれをしたらましになるんじゃないか?そんな考えで検討を重ねていくと、結果的に労力ばかり増えて、潜在的な不具合のポイントが増えて逆効果になることもしばしばです。

対策とはシンプルにすること、そんな発想で知恵を絞ってください。

3.効果を継続的に検証する

対策が効果を発揮したとしても、それは一時的なものかもしれません。食品工場の環境・原材料の多くは季節的な影響を受けやすいです。きちんと責任者が1年を通じて効果が認められるか、定期的に検証してください。

いかがでしたか?たった3つのステップで、言われてみれば当たり前に感じると思います。ですが、きちんと意識して共有すること、期限を切って責任者が実行を管理すること、など、実は多くの会社で出来ていないことだったりします。

当たり前のことを当たり前にやる、簡単なようですがこれが難しいです。是非意識して問題解決につなげてください!

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

「問題解決のための3つのステップ」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください