HACCP義務化が取りざたされていますが、実装には問題点があります。それは、HACCPの基本的な考え方が多くの会社で効果的に運用がされていないISO9001と同様にPDCAサイクルに依存している点です。世の中では当然のように「PDCAサイクルを回そう!」と言われていますが、現実はどうでしょうか?PDCAサイクルは本当に回るものでしょうか?(この記事は、小規模な会社でHACCPはコストがかかると感じている会社を主なターゲットにしています。従業員が複数いてQCサークル活動が行えているような会社を想定していません。)
PDCAサイクルで問題は解消しない
理屈としてはISO9001で会社の問題は解消する(もしくは解消のめどが立つ)はずです。HACCPなどと敢えて謳わなくてもISO9001さえ「理屈通りに動いていれば」、ある一定の時間はかかったとしてもすべての問題は解消します。
しかし、PDCAサイクルは機能しないことがほとんどです。だからこそ「PDCAサイクルを回そう!」と十年以上言われ続けているわけです。この原因についてはチェックが機能していないことがほとんどだ!と言われていますが、ここでも技術的な話ばかりで結局解決していないケースばかりです。
そもそもPDCAで問題解決できていないのに、それをPDCAで解決しよう、というのはおかしな話です。PDCAで問題解決できていない組織では、その状況をPDCAで解決することはできません。
モチベーションが鍵
では、いったいどうしたらいいのでしょうか?その鍵のヒントは活気のある部活動では何が起きているか、という身近な(身近だった!?)環境にあります。中学・高校時代、PDCAサイクルなんて知らなかった時代でも、あの時こうしていればよかったかも、じゃあできるように練習しよう!というような光景は珍しくなかったはずです。
多少乱暴な言い方になりますが、モチベーションさえあればPDCAなんて勝手に回るものなのです。むしろ、それは人間がこれほどの文明を築いてきたことを考えれば、人の本能といってもいいのではないでしょうか?
ということで、PDCAサイクルで問題を解決するための鍵はモチベーションである、と言えるでしょう。
以上を踏まえてPDCAが回らない環境を見直してみると、現場に近い方では「心(モチベーション)」への配慮不足、上位の管理者に近いほど「見える化」の不十分さがあります。
この二つを組み合わせると「従業員の心の見える化が不十分」というフレーズが出てきます。つまり、PDCAを回す鍵であるモチベーションの見える化が不十分なことが、問題解決にいたらない真の原因なのです。
見方を変えると見えてくる
以上のように考えると、PDCAが回らない=モチベーションが不十分もしくは引き出せていない、ということが分かります。たったこれだけで従業員のモチベーションが見えるようになりましたね!
会議の場では何とでも言えます。実際にPDCAが回っていない、ということは、すなわち問題解決に共感できていない、モチベーションが沸かないということなのです。
あとは問題解決することのメリットに、共感してもらうにはどうしたらいいかを煮詰めればいいだけです。私はこの方法で年商6億円の会社で3000万円の経費削減に成功したことをはじめ、複数の成功事例を有しています。
共感を引き出すためには、対等な立場での綿密なヒアリングが必要です。従業員の心の見える化はできたけど、改善方法が分からない、という管理者の方は是非、お問い合わせください。従業員の共感ポイント調査(ヒアリング)や実際に改善サイクルが軌道に乗るまでのお手伝いのサービス提供はもちろん、無料相談においてもノウハウの提供を行っております。
HACCPの肝であるPDCAサイクルをしっかりまわす基盤を作って、実際に効果のあるHACCPを組み上げましょう!