原価を下げる方法~メニュー編~

原価を下げるには、メニューに関する以下のことも関係があります。
・メニュー開発
・調理法の工夫
・平均原価を下げるための販促

本当の原価を知る

特に上2項目については、原材料の本当の原価を知ったうえで行うべきです。本当の原価とは、食材の使用できない部分を除去したあとのグラム単位の原価です。たとえばピーマンであれば、ヘタや種を除くと平均的に全体の85%しか利用できません。つまりピーマン100gの仕入れ値にたいして利用できるピーマンは100g当たり1/0.85=1.176・・・と18%弱割高になります。もちろん、サイズによってもこの利用可能な部分の割合は変わりますので、感覚がしっかりつかめるまで、積極的に仕込み前後の重量は計るべきです。

レシピを作り同じ量を使う工夫をする

上では一般的な単位である100gで書きましたが、実際のメニュー開発・レシピ作成・調理時の原価表(日々更新は無理でもメニュー開発時には原価表は作りましょう)には10g単位で書きます。というのも、実際に使うのはこの単位に近いからです。塩など計量スプーンで計るものはそちらの単位に合わせて記入します。野菜等の下ごしらえ済みのものも、ポーションオーバーを避けるために、計量用の入れ物を用意するか、目分量だけでなく毎回同量つかめるように秤を使って練習してください。この努力が原価を下げるだけでなく、お客様の満足度を高水準で維持します。

そのうえで、メニュー開発時は男性向け500g、女性向け400gを目安に作成します。こちらはあくまでも平均的な1食当たりの食事量なので、コンセプトに合うターゲットをきちんと想定してお店としての1食当たりのグラム数は決めてしまいます。お店のコンセプト上、規格品を使うのはふさわしくない、という特例を除いて、魚であっても重量のブレは極力避けるべきです。せっかくつかんだ常連様は、サイズの変動が分かってしまうし、お店の評価はそのお客様にとってもっとも好ましくないサイズにおいて行われることを思い出してください。

原価を意識した販促を行う

最後に販促についてです。お店全体での原価があがってしまう理由の一つに高原価率の商品がよく売れてしまう、ということもあります。こちらは普段からメニュー当たりの原価を意識していないと把握が遅れて後の祭りになるので、前述した原価表は必ず作成してください。忙しくても日々売上に占める原価率は出すべきです。そのうえで、原価率が高いものが出過ぎているようであれば、原価率の低いもので調整できるように販促を行います。思わぬ変化は大抵急な相場変動や気候変動が原因です。それらを踏まえて、低原価率のものの「お客様視点」での良さを探してください。一般的に野菜は相場が下がるときほど栄養豊富になりやすい、という実験データもあります。そのような時は大抵、旬の時期ですので、こちらを販促に使ってみてください。他には、飲料のセットメニューを期間限定で出す作戦もあります。相場が上がったから量を減らす、というのだけは絶対NGです。そうしてしまうと1食当たりの重量が減ってしまって満足感を感じていただけなくなります。これらの工夫の範疇を超えている場合は、メニュー改定で対応するべきです。販促についてはお店のコンセプトに合わせて行うことがもっとも効果的です。

ショルダーネームにマッチした改善を!

初来店のお客様は多少なりともショルダーネームにひかれて来店されています。改革の結果、ショルダーネームに謳っているイメージとかけ離れてしまっては次回の来店が望めません。改善を行う際は、ショルダーネームにマッチしているか、確認をしつつ行うようにしてください。
改善に行き詰ったときはショルダーネームの見直しを行うことも効果的です。そのようなときは、新鮮な視点でお店全体を振り返ることでブレイクスルーが生まれます。このケースでは外部の協力が非常に有効です。是非、FQMサポートの無料相談サービスをご利用ください。

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

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