訪日外国人の調査結果~2016年4月~6月期~

先日平成28年4~6月期の訪日外国人消費動向調査の調査結果が観光庁から公表されました。
飲食店に関係のある部分を抜き出してまとめてみます。

漢字圏からの来訪者・消費が多い

中国・台湾・香港・韓国からの旅行者が全体の7割強を占めています(一部推定値)。人数だけでなく、消費額総計のシェアでもこの4国・地域で65%を超えています。旅行時の飲食費は消費の約20%を占めており、この4か国で1180億円(単純に考えて年間4000億円規模)の消費が行われています。全体の各国字が少し異なりますが、漢字圏からこれだけの旅行者が来ていることは、漢字表記の優位性を示唆しているように感じます。

飲食での満足ポイント

最も満足したジャンルの割合を国・地域別にみると、韓国は「肉料理」(26.4%)、台湾と香港は「ラーメン」(それぞれ27.7%、23.1%)、中国は「魚料理」(28.2%)、米国は「寿司」(25.2%)の割合が高いそうです。理由は「美味しい」がどの国・地域でも多く、魚料理やすしでは品質を評価する声も多いようです。旅行前に期待していたことの1位に「日本食を食べること」が上がっていることから、国ごとにメニューの好みはあってもやはり日本食とされるものが強いことが分かります。また、次回旅行時にもしたいことの1位にも「日本食を食べること」があげられているのもポイントです。

滞在中にあると便利な情報

無料wi-fiの接続ポイントが51%超、飲食店が31.5%と、お店付近での情報提供にも価値があることが示唆されています。

飲食店と訪日外国人のギャップ調査

2013年3月に「食に関する外国人客と飲食店とのギャップ調査」- 金沢のインバウンド観光のアンケート結果にみる実態と課題 -という調査が金沢大学 地域創造学類 香坂研究室と株式会社日本政策投資銀行北陸支店によって報告されています。こちらによると、@受け入れ側の飲食店が「言葉の壁」を意識しているのに対し、訪問者側の外国人客は、「店員との意思疎通」にそれほど不満を抱いていなかった。むしろ、味やおもてなしでの外国人客の満足度は極めて高く、飲食店としての基礎である「料理の味」と「接客」という点では、非常に高い評価を受けていた。(@からここまで引用)、そうです。外国人客は多くの消費を飲食店で行うと同時に、基本的には満足度が高いことが、こちらでも分かります。ですが、@「メニュー上の外国語表記」については、半数以上の飲食店が「重視する」「やや重視する」と回答したにもかかわらず、外国人客の満足度はそれほど高いものではない、といったマイナス面でのギャップがある(@からここまで引用)、とされるなど、接客よりも静的な情報提供に課題があることも分かりました。先の観光庁の調査でも、飲食店の情報が求められていることから、看板等からメニューまで、情報提供を行うことで訪日外国人の利用を促せると考えられます。一方で、多言語対応するには店頭では無理があることから、料理ジャンルごとに国ごとの好みがあることなどを参考に、ターゲットを絞ることも必要であると考えられます。

限られた面積でいかに情報提供を効率的に行うのか?まさにショルダーネームの考えと同じですね!訪日外国人向けのマーケティングを行う前に、是非(株)ネクストアクション様のサイトに寄稿した記事「ショルダーネームとは」を読んでいただければ幸いです!

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

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