メニュー・商品リニューアルに必須!ABC分析とは?

メニュー・商品のリニューアルで必須なこと、それはお店・会社にプラスになる改定を行うことです。言葉にするのは簡単ですが、プラスになるかどうかはどう判断するのでしょう?その基準を明らかにしてくれるのがABC分析とクロスABC分析です。「これはよく出る」「これは面倒だからやめる」などと感覚に頼っていると、売上は維持できても利益率が下がったりと、思わぬ状況になりがちです。勝ち残るためには、苦手なことでも面倒がらずに挑戦していきましょう。

ABC分析とは?

さて、そもそもABC分析とはどんなものでしょうか?基本的な考え方は簡単です。ある基準を元に、上位から並べて、合計で7割を占めるグループをAグループ、7~9割を占めるグループをBグループ、残りをCグループとします。売上の多い順にメニューを並べて、それぞれの売上を足していきます。売上100万円のお店であれば、Aグループの売上合計は約70万です。Bグループは約20万で、AとB合わせて約90万です。また単月の分析ではぶれが大きいので、季節要因なども考慮しながら3か月程度をまとめて分析することをお勧めします。ここまでの分析でCグループが改定の対象になることはなんとなく感じて頂いていると思いますが、メニュー改定はそう単純ではありません。それに、ここまでであれば直感で「これは出てる、あれは出てない」と分類するのと大差ないですよね。直感とは異なるのはこの先の、クロスABC分析を行うことです。

クロスABC分析とは、売上以外にも別の基準でABC分析を行うことです。そして、2パターンのABC分析の結果をグループ分けします。もう一つの基準は、基本的には粗利高になります。そして、それぞれのメニューごとに売上のABCと粗利高のABCの記号を書きます。

分析の結果を検討しましょう
AAとなるメニューは優秀ですよね。磨きをかけることで更に利益に貢献します。販売数自体も多いなら、提供時間短縮の対象にも最適です。

CA(売上は低いが粗利は大きい)になったメニューは、売れればお店にとっては非常にうれしいメニューです。どうしたら販売数が伸びるのか、積極的に工夫をすることが望まれます。

AC(売上は大きいが粗利は小さい)になったメニューはお客様にとってはお値打ちの商品です。この場合の考え方は主に2通りになります。

・お店のコンセプト上、存在意義が薄く、粗利以外にも専用食材の存在・提供時間など、お店の負担になっている場合

売れてはいるものの、経営上は負担にしかなっていないです。思い切って削ることで、お店全体のサービス向上を図りましょう。

・意味のある商品の場合

集客用と位置付けてあるメニューならば、そのままにしておいても問題ありません。それでも売上Aに分類されるということは、数量は多く出ているはずです。ロスや提供時間の改善を行う候補にはなりますので、しっかり育てましょう。ただし、メニュー自体は必要でも、原価計算の間違いなどで意図せず粗利が低い場合は対応が必要です。適正な粗利が頂けるよう、値上げを検討してください。この対応は必須です。というのも、お店のコンセプトにない安売りを行ってしまうことは、客層の変化を起こすなど悪影響をまねくからです。

CC(売上も粗利も小さい)になったメニューは基本的にACと同じ対応です。意味がある商品であれば適切な告知が必要です。いわゆる松竹梅の松に当たる商品であれば、平均客単価の上昇に貢献します。その場合は、専用食材の排除など、過度なお店への負担を減らす検討が求められます。

以上のように、メニューのリニューアルだけでなく、オペレーションなどの改善対象の選択にもクロスABC分析は役立ちます。必ず経営の武器になりますので挑戦してください。

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

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