手狭なお店で客数を増やすにはどうしたらいいでしょうか?1日の客数は = 客席数x稼働率x回転数で計算されます。客席数を増やすことは基本的に難しいと思われるので、客席の稼働率と回転数を中心に考えてみましょう。
稼働率を上げるには?
客席の稼働率は満席時に何人のお客様が着席されているか、という割合です。100%になることはまずありません。というのも、二人掛けの席に1名で座っていることや、4人掛けのテーブルで2~3名ということもありますよね。
手狭なお店の稼働率は基本的に高いとは思いますが、テーブル席があるような場合は相席しやすいトレーを使用するなど工夫が必要です。また、来店されるお客様のパターンを見極めて、二人掛けや4人掛けの席をうまく作ることも有効な対策です。
回転数を上げるには?
回転数に影響を与えるのは お店側が席の準備・料理の提供にかける時間 と お客様のお食事の時間 です。お客様のランチタイム・ディナータイムはおおよそ決まっています。その時間の中で回転数をあげるには、お店側の持ち時間を極力減らす必要があります。
特に提供時間に配慮を!
ピークタイム、つまり「書き入れ時」の収入を増やすためには料理の提供時間の短縮が効果的です。立地等にもよりますが、提供時間の短縮は適切な回転率をたもち、満席によるお客様の流出を防止します。とあるラーメン店では提供時間を10分から6分へ短縮したところ、ランチタイムの回転率が5回転から7.5回転へ増加し、売上も15%増加しました。特にビジネス街など、お急ぎのお客様の利用が見込めるところでは速さだけで、立派なコンセプトになります。
回転数が多ければ多いほど、時間短縮の効果は大きいのですが、そのようなお店では複数名で調理していることがほとんどだと思います。複数名で作業をする場合は、必ずすべてをマニュアル化し、1秒でも短縮するという気持ちで作業を詰めることが有効です。全ての材料・調理器具は必ず同じ場所・同じ向きで置くように徹底します。そうすることで、無意識のうちに動きが止まることを防止します。手を何度も拭かなくて済むように適切にトングの配置や分業をします。極端な例ですが、1つの料理で10回も手を拭く動作が入るようでは、それだけで30秒程度ロスしています。また、布巾自体の衛生度はどんどん落ちていきますので、衛生面で考えてもよくありません。このような作業全体を効率化するときは、思い切ってストップウォッチで調理の作業とそれぞれの所要時間の最大・最小・平均を出すことをお勧めします。
実際に時間と向き合うことでいろいろなアイデアや改善点が出てくるものです。
基本的には稼働率・回転数ともにあげていくべきものですが、お店のコンセプトに照らし合わせてふさわしくないのであれば、付加価値を訴求する。意味のないことは徹底的に効率すべきですが、意味のあることは非効率でもかまいません。客席の稼働状態一つとっても、お店のコンセプトに照らし合わせつつ、効率化していくことが重要です。