DMは有効か?

DMによる告知はどの程度有効か?というお問い合わせを受けましたので、以前調査した結果をまとめます。
工場の品質管理だけではなく、このようなお問い合わせにつきましても調査のノウハウを活かしてお答えできますので、たまたまこの記事をご覧になった悩めるそこのあなた!も是非無料相談をご活用くださいませ。

参考にしたのは以下の資料です。
・日本政策金融公庫 経営Q&A 売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術(2009年2月)
・JDMA 一般社団法人日本ダイレクトメール協会 DMメディア実態調査 2015 ←こちらは名前が長いので以降DM協会と略称を使用します。

DMの開封率とレスポンス率

DMの本質はお知らせです。お知らせである以上、見てもらわないことには始まりません。そこで大切なのは開封してもらえたか?そのあと行動を起こしてもらえたか?の2点です。

まずは開封率から。開封率は開封して読むことまでを含みます。
ハガキ等郵便で送付するもの 80.9% (2015年DM協会調べ)
電子メール   PC受信  63.6% (2008年株式会社アイシェア調べ 対象:同社会員)
電子メール   携帯受信  61.6% (2008年株式会社アイシェア調べ 対象:同社会員)
意外と目は通してくれているのですね。ただし、電子メールのデータは元々メール転送サービス利用者限定で母集団が著しく偏っている上に古いデータですので、あくまで参考程度にしてください。ともあれ、過半数は目を通してくれると考えていいでしょう。

次にレスポンス率。これはDMを受けて何か行動を起こしてくれた人の割合です。2015年のDM協会による調査以前は、ネットで調べる、話題にする、など間接的な行動はレスポンス率に含めていなかったようです。
レスポンス率は日本政策金融公庫・DM協会ともに、古い定義で平均5%程度のようです。間接的な行動を含めると約15%まで上昇します。こちらの率は送付した人全体に対する割合なので、電子メール経由だと若干落ちることが予想されます。とはいえ、郵送は既存顧客向けが多く、電子メールは不特定多数向けが多いことが予想される(データには示されていない)ので、媒体問わず以下の数値が参考になりそうです。
平均的なレスポンス率
DM・チラシ(不特定多数) 0.5~1.0%
DM・チラシ(既存顧客)  5.0~15.0%

ただし、これには重大な視点が抜けています。自店の商圏向けかどうかです。商圏外にDMを配ったとしてもレスポンス率は著しく低いことは明白です。商圏内の配布対象者が何名で、配布のためのコストがいくらで、予想される売上がいくらなのか、しっかり予想を立ててDMを活用することが大切です。このように効果を検証しないで「とりあえずチラシ・DMを配布しよう!」というのは広告費の浪費につながりかねません。というよりも、ほぼ確実に浪費するといえるでしょう。既存顧客向けですらざっくり1割程度しか来店を促せないのですから、DMの配布コスト(もちろん、製作費コミですよ!)が一人100円だとすると、一人来店していただくのに10倍の1000円ほどかかる計算になります。商圏外・新規見込み客が入ると予算はさらに膨らみます。直感的にも戦略が必要なのが感じてい頂けるのではないでしょうか?
注意が必要であるとはいえ、これだけのレスポンスが期待できる点は評価すべきでしょう。
是非DM等を有効活用して、売上アップに役立ててください!

以上、小橋博士でした。

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

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