測定の原理と目的はなんですか?

みなさん、こんにちは!小橋博士です。

今日は測定についてのお話です。
品質管理の担当であれば、日々なんらかの測定をされていると思います。
それらの測定の原理と、そもそもなぜその測定をしているのか、把握されているでしょうか?
この測定に対する心構えが、経営者に陰口を叩かれてしまう品質監視と会社の改善につながる品質管理の分かれ目のひとつです。

まず、原理について正しく把握していなければ、より正確な測定につながるサンプルの準備が困難です。研究職時代も含めて、多くの測定者を見てきていますが、原理に無頓着な方はデータの質が悪い傾向にあります。質の悪いデータからは、直感的な結果は得られにくく、統計的な手法に頼らざるを得ないことが多くなります。統計手法を適正に運用できればリカバーは可能ですが、原理に無頓着な方で統計には造詣が深い、という方は出会ったことがありません。創業社長は勘が鋭い方が多く、質の悪いデータを適正でない統計手法で解析した結果などは「うさんくさい」の一言で片づけられてしまいます。
また、質の悪い測定をカバーするためには測定数が必要になります。経費面だけでなく、測定担当者の負担も増えてしまいます。
もちろん、原理については測定に関わる全ての器具についても同様に把握しておくべきです。

さて、原理も把握していいデータも得られている、だけではやはり経営陣の期待には応えにくいです。
そもそも経営陣は常に改善を求める人種(のはず)ですので。
目的が明確でないと、データ収集に終わりは訪れません。測定自体が目的になってしまっている品質管理担当の方も複数お会いしました。その方々は業務改善命令に対して「品質管理部は測定数を何割増やします!」という返答をして、経営陣にがっかりされることが多かったです。目的があって測定しているはずなのに、議論が完全に抜け落ちて測定数だけ増やす、というのは乱暴な議論です。
現状で品質が担保できているなら、測定数を増やす理由はありません。むしろ現在の測定数で十分か?過剰ならどこまで減らせるのか?減らした後に余力をどうするのか?という改善をにらんだストーリーを考察してみてはいかがでしょうか?きっといろいろいいことが起こると思いますよ。

測定にまつわるお悩みのご相談も受け付けております。
社名を出さず、個人的な相談でも大丈夫ですのでお気軽にメール等でご相談ください。

以上、小橋博士でした!

投稿者: 小橋博士

FQMサポート代表 品質向上コンサルタント/農学博士 品質向上とコスト削減を同時に実現する新手法「グレーゾーン管理」の開発者 食品会社の経営経験有

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