みなさん、こんにちは!小橋博士です。
今日は品質基準のお話です。
みなさんの工場でも工程ごとに色・形・重さなどの基準が存在していると思います。
この中で重さは基本的に誰が測っても同じ、且つ、10g以上12g以下が合格、という基準で判断に迷う従業員はまずいらっしゃらないと思います。では色・形はどうでしょうか?
色の場合は色彩空間であらわされ、訓練すれば識別可能になると思いますが、全従業員に徹底するのはなかなか難しいですよね。さらに、色ムラもあるため、何%がどの範囲に入っていればいいのか、正確に判定する基準を作って誰にでもすぐ分かるように掲示することはかなり難しいです。
形はもっと質が悪いです。チョコレートのように、判別が容易と思われるものもありますが、一般的な食品ではそうもいきません。イケメンとブサメンの境目や判断基準を誰でも分かるように明確にすることが難しいのに似ていますよね。どうしても曖昧な部分が残ります。
食感・味等についても同様に、なかなか人間が判断するのは難しいです。
中小の工場では、そのような基準を作業員が判定しているケースが非常に多いです。すると、合否のあやふやな個体は各工程で人の手を止める要因になってしまいがちです。詳細はここでは申し上げられないのですが、結果として、専業の判定員を上流の工程に配置して、そこでの基準を従来より厳しくすることによってロスは同程度に抑えつつ、全体の作業時間の短縮につながったケースもあります。
中小の工場での品質基準は、どうしても場当たり的に積み上げられて言ってしまうケースが多いです。品質基準があることで、実際に人と物がどのように動いているのか、観察してみてください。気持ちよく作業して頂くためのヒントが隠れているかもしれませんよ?
また、全工程で同様のチェックをするよりも、基準の与える影響がより明確になります。より多くの製品(仕掛品)を基準内にするにはどうしたらいいのか?を考えるうえでも役に立ちます。
以上、小橋博士でした!